JOURNEY

カンボジア | CAMBODIAD

tasom

“Ta Som”
Siem Reap(Angkor Ruins)
’02. 12. 18
鳥が運んだ種子は数百年をかけ巨大な樹木へと成長し、その根は水分を求め建築を這う。
石の隙間へと入り込んだ根はやがて肥大化し、そして建築を破壊しつづける。
発掘現場作業員の少年が昼休みだからと遺跡の説明をしてくれた。流暢な英語を操り真摯な態度を示す。スケッチをしているあいだ、横にいたその少年のお腹がグーグー鳴っているのが聞こえた。帰りがけにやはり「Give me some.」という。ささやかだがそれに応えることにした。

preahkhan

“Preah Khan”
Siem Reap(Angkor Ruins)
’02. 12. 18
ピクチャーウィンドウの連続で構成される建築。建築の内外にかかわらずほとんどの開口が四方枠からなり、不思議なパースペクティブを生む。
遺跡の外の屋台で食事をしていると、店の娘であろう少女が日本語を勉強していた。

taprohm

“Ta Prohm”
Siem Reap(Angkor Ruins)
’02. 12. 18
この遺跡はいずれ崩壊する。もはや修復もできない。自然が建築を破壊してゆくその過程が遺産なのだ。

southgate

“Angkor Tom-South Gate”
Siem Reap(Angkor Ruins)
’02. 12. 20
四面仏が待ちかまえ、割れ目のように崩れたその門は、なにか異世界への入口のようで不気味だ。

bayon

“Bayon”
Siem Reap(Angkor Ruins)
’02. 12. 20
アンコール・トム中央に位置するバイヨン寺院。
周囲をとりまく回廊の所々に設けられた開口から、無数の四面仏にとりかこまれた中央祠堂が突然姿を現す。
至る所にブッダの顔、顔、顔・・・
他の芸術では造りがたいスケール感をもってその圧倒的な存在感を示す。又それが人間を内包し人間の営みの場となる。それが建築の最大の魅力なのでは、と、ここを訪れてふと思った。

bacong

“Bakong”
Siem Reap(Roluos Ruins)
’02. 12. 22
アンコール遺跡群からすこし離れた場所に位置するロリュオス遺跡群。ピラミッド型のこの寺院からは遠くにアンコールワットが見える。
寄ってきた子供達がこのあたりには教師がいないので日本語が習えない、と嘆く。

angkorwat

“Angkor Wat”
Siem Reap(Angkor Ruins)
’02. 12. 22
ひとくちにアンコールワットとはいうけれども、実はアンコール遺跡群のひとつにすぎない。しかしそのプロポーションの美しさは他の追随を許さず、又、保存状態も良い。
最終日、この聖池にたたずみ朝焼けをバックに少女がジョン・レノンのイマジンを唄っていた。はにかんだ少女の笑顔を見ていたら、なんだか涙があふれてきた。